KWNB624

二次小説置き場。ブログタイトルから連想できる方のみどうぞ

2018-06-13から1日間の記事一覧

思わせぶりな

カワノベ/ヤノカワバーテンパラレル 「コウくん!?」 「おー、久しぶりじゃん」 「えっうそコウちゃん!?マジでー?やだなにー、めっちゃひさびさー!」 「相変わらず仲いいなー二人とも。今日も仕事?」 「うんそー」 「てかコウくん今どこで働いてんの…

雪に消えた

川島×阿部/大学生設定 キャンセルするべきだったんだろうか。二人で来るべきじゃなかった、せっかく今まで三人でのバランスを保ってきたのに。壊れてしまった、壊してしまった、俺が。自ら。 大学卒業を間近に控えた2月、近場でいいから旅行に行きたいなと…

先生!

矢野×阿部/ヤノカワ教師パラレル ホームルームが終了すると、阿部は脇目も振らず教室の出口に向かった。 「えっ、あべー?もう帰んの?」クラスメイトの水谷が声をかけても聞こえないのか無視なのか、どちらにせよ振り返ることなく廊下に出る。目指すは数学…

そんなつもりもないくせに

矢野×阿部/ヤノカワ教師パラレル 夏の大会も終わり夏休みもあと残りわずかとなった今日は、練習を16時で上がることになっていた。溜まった宿題を仕上げつつ夏休み明けすぐのテストに向けて勉強すると前々から監督にも顧問にも言われていたのだ。 「じゃーい…

はじめての

川島×阿部/川島様お誕生日話/社会人設定 阿部が川島から彼女と別れたと聞いたのは6月7日の夜のことだ。しかも9日が誕生日だから前夜祭でお祝いしてねと電話で言われて、そんなこと急に言われてもと怒りたかったが 『早くタカに逢いてー』 そんな、本当に楽…

だから酒ってやつは③

阿部にスウェットを着せてベッドに寝かせた矢野は、洗い場に脱ぎ捨てられた水浸しの阿部の服一式を洗濯機に放り込んでから簡単にシャワーを浴びた。部屋に戻った時にはもう阿部は心地良い寝息を立てていて、さっきは気づかなかったけれど足元に散らばる系統…

だから酒ってやつは②

矢野の最近のマイブームは湯船に浸かったまま歯を磨くことで、水磨きの後に仕上げとして歯磨き粉を使ってひたすら時間をかけて歯磨きをする。自宅の風呂はリフォームしたてのピカピカで、もともとの広さもあり湯船も大きい。だが現在一人暮らしのこのアパー…

だから酒ってやつは①

カワノベ/大学生設定 居酒屋を出た阿部と川島は肩を組み、酔い醒ましに歩いて帰ることにした。二人で飲むのは初めてではなかったけれど、今日は何だか異様に盛り上がって二人ともいつも以上に酒が進んだ。結果、酩酊状態でふらつきながらもお互いの服をしっ…

夏が終わる

カワノベ りん、と柔らかな音が耳に届いて、目が覚めた。 次に来ると期待した涼しい風は流れてこず、代わりに真昼の陽射しと同じ強さで鳴く蝉の声が、まどろんだ意識の中に外側から割り込もうとしてきた。 「…あっつ…」 眠っていた時は全く感じなかった湿度…

7月7日③~山ノ井と阿部~

首尾良く早番でバイトを終えた山ノ井は、ちょうど会計を終えた本山と阿部と合流すると慎吾を置いて何のためらいもなく店を出た。ホント非情だな、と本山に言われても全く良心の呵責など感じずに、鼻歌を歌いながらさくさく歩く。阿部をお茶に誘い、せっかく…

7月7日②~慎吾と阿部~

「なんか女の人多くねぇ?」 料理を運んだ時に、本山が周囲を見渡しながら小声で訊いてきた。 「あー、ウチの店って女ウケいいんだよ。別にオトコ禁止ってワケじゃねーんだけど」 「慎吾がね~お客さんにチョー人気なんだよ。しょっちゅう番号交換してるもん…

7月7日①~本山と阿部~

大学生設定 最後の講義を終えて大学を出ると、雨は上がっていたが窒息しそうな湿気に本山は思わず顔をしかめた。現役の頃はこんなこと大して気にならなかったというのに、冷房のおかげで汗を掻かない快適な生活に慣れた身体はもう1年前とは大きく変わってし…

珈琲時間

島崎×阿部/慎吾さんお誕生日話/大学生設定 そのラブホテルを隆也はなぜかとても気に入って、そういう雰囲気になれば必ずあそこに行きたいと言った。 それは俺から見れば他のホテルとなんら変わらない極めて普通の、高くもなく安くもなく、良すぎでもなく悪…

猫になりたい

山ノ井×阿部/大学生設定 電話がひっきりなしにかかってきてメールも嫌がらせかってくらい届いて、渋々出たら受話器越しにものすごい大声で責め立てられた。 理由も覚えもあったのでいつもみたいに適当に返事をしながらも今すぐ出てこいとのお達しに逆らうわ…

ほんとイジワル。

準太×阿部/準さんお誕生日話/大学生設定 今度の火曜日会えない?と訊かれて、思わず返す言葉を呑み込んでしまった。ちょうど、本当にたった今、阿部が言おうとしていた言葉だったからだ。 『あ、無理?』 「会えます!」 力いっぱい出してしまった声に我に…

そうだドライブ、行こう。

準太×阿部/大学生設定 聞き慣れないアナウンスに違和感を覚えて、いつの間にか眠っていたことに気がついた。次にばちっと目が開いて、勢いよく顔を上げる。いつも混んでいる車内が、なぜかガラガラだった。 「寝過ごした……よな」 高校時代の野球部のメンバ…

あの夏の花火

準太×阿部←島崎/大学生設定 ドーンと大きな音が鳴って、夜の世界は一瞬昼間になった。 真っ白な太陽はすぐさま橙色の光の滴になって真っ暗に戻った夜空に散っていった。 たーまやー!と無邪気にはしゃぐ山ノ井が、嫌がる利央に肩車をせがんで追いかけ回す。…

好きだったひと、好きなひと

準太×阿部/大学生設定 やっぱり行かない方がいいんじゃないかなんて後戻り出来ないところまで来て思うあたり、自分の優柔不断さに嫌気が差す。半年前まで恋人だった人の家で鍋、しかも今現在の恋人も一緒にだなんて、無神経にもほどがある。 「隆也、あった…

あなたとコンビに

利央→阿部/大学生設定 4丁目のコンビニでバイトしてる女の子が可愛いと先輩達の間で話題になって、だったら今すぐ見に行ってみようぜと酒の勢いもあって偵察に行くことになった。 冷静になって考えてみればその日その時間帯にいるかどうかも分からないのに…

少しの本音と言葉とキス②

真っ暗になった部屋、その中でゆっくり近づいてきた慎吾さんの影だけはなぜだかくっきりと浮かんでいて、その影に包まれるようにしながら身体が促される。ハッと正気に返った時には俺はベッドの中で慎吾さんを見上げていた。 暗いと思っていた部屋の中がいつ…

少しの本音と言葉とキス①

島崎×阿部/最後の日・後日談 ※性描写あり デジャヴ、という言葉を思い出した。 少し前にもこういうことがあった。そう、部活の終わり、田島がラーメンを食いに行こうと提案してみんなで門を出る。俺は最後尾についていて、信号を渡る手前で黄色になった。 …

最後の日②

「明日から新学期だろ?」 送るよ、と言われて断ることも出来ず、自転車を押して並んで歩く。昼間は桐青の練習に顔を出したらしい、久しぶりに汗だくになったと笑う慎吾さんは本当に楽しそうだ。 「隆也ンとこは新入生何人くらい来てんの?」 「まだっスよ、…

最後の日①

島崎×阿部 桜がきれいだなぁ、と誰かが言って、その声が空を仰いでるのを感じて俺も顎を上げた。こんなに空が青い時間帯に家路につくことがとても珍しくて、俺だけじゃなくほぼ全員が何となくこの時間を持て余していた。薄紅色の桜が、水色の空に溶けそうに…

もしかして

山ノ井×阿部/山さんお誕生日話/大学生設定 異常気象としか言えない今年はまだ9月になっても残暑厳しく、日中の温度は真夏のそれとさほど変わらない。 そんな中、今日は大先輩(たった一、二学年しか違わないのにいつもこう言われる)である山ノ井の誕生日…

うれしはずかし朝マック

利央×阿部/利央お誕生日話 今日でひとつオトナになった。 大好きな人にお祝いしてもらって、一緒に朝を迎えた。 ばあちゃん、神様、たかやに出逢わせてくれてありがとう。俺、ホントにホントに幸せです。 昨日の夜あんなコトしたのに、こんな爽やかな朝陽の…

言えずのI LOVE YOU ③

「着きましたよ準太さん」 「ん~~~……」 「鍵どこですか?貸してください」 「かぎ……」 「家の鍵です。開けるから、俺に貸してください。どこにあるんですか?」 小さい子に分かりやすく説明するようにゆっくりと言葉を紡ぐ彼は幼稚園の先生みたいで、あん…

言えずのI LOVE YOU ②

「阿部くん、おいで」 慎吾さんが手招きして呼ぶと、彼は素直にこちらに歩いてきた。慎吾さんは利央のブーイングなんてまるっきり聞き流して、俺との間に座るよう彼を促す。 「お邪魔します」 「どーぞどーぞ」 「たかやー、何飲む?何でもいいよ!」 掘りご…

言えずのI LOVE YOU ①

準太→阿部(ハルアベ前提)/恋愛における理想と現実・後日談/成人設定 別に今更、どうこうなりたいワケじゃない。まず無理だろうとも思うし、あの子が俺の気持ちに気づいてないことも知ってる。 慕ってくれるだけで満足なんだ、それ以上は望んでない。あの…

恋愛における理想と現実

準太→阿部(ハルアベ前提)/成人設定 最近どお?とか 何してるかなーと思って とか なんとなく声が聴きたくなってさ とか 携帯と睨めっこしながら悶々と悩みまくった2時間半は全くもって無駄だった。相手が酩酊状態じゃ、どんな変化球も通じない。素面の時…

リトルハピネス

本山×阿部 先に見つけたのは俺の方だったけど、モロに「あ」っていう顔をしてしまった俺に気づいた彼はわざわざ横断歩道を渡ってこっち側まで来てくれた。 「桐青の…本山さん…、ですよね」 さすがというか何というか、噂に違わぬ記憶力の良さ。野球に関して…