KWNB624

二次小説置き場。ブログタイトルから連想できる方のみどうぞ

島崎×阿部

策士恋に溺れる

とにかく慎吾はいつもいつでも阿部を求めてきて、彼の部屋にいるときは九割九分九厘そういうことになるし、阿部の部屋に上がったときも後ろから抱きしめたりしつこく口付けをしたりしてくる。 二人で歩いているときはもちろん他の友人達といるときだって堂々…

イノセント

島崎×阿部 ※性描写あり その男のことは、顔も名前も知っていた。夏大が始まる前から関係者からチェックされていたし、大会が始まってからもやたらと話題になった男だったからだ。 だがそれだけだった。毎年高校野球の季節になればどの学校にも注目を浴びる選…

それは秋に咲いた

島崎×阿部 あ、桐青だ。 そう言ったのは誰だったか分からないが、先頭から三番目を走っていた阿部にもその姿ははっきりと見えて、桐青高校の刺繍の入ったエナメルを肩にかけた学生達がランニングルートの先に数人立っているのが確認出来た。 向こうのチーム…

秋風吹いて

島崎×阿部 ここ数日で急激に涼しくなって、部活中もすぐ汗が引くようになった。 三橋が風邪引いちゃわないか心配だ。三橋がインフルエンザにかかんないか心配だ。三橋が身体冷やして怪我しちゃわないか心配だ、あぁ心配だ。 「っくしゅん!」 「大丈夫?風邪…

たとえばこんな車内恋愛

島崎×阿部/社会人設定 あの人と通勤の電車が一緒だと判明したのは2ヶ月前、たまたまその日は取引先に直行だったからいつもより遅い電車に乗っていたらあれっという声がして、ライトグレーのスーツに明るい栗色の髪をした、俺よりほんの少しだけ背の高い男…

禁煙セラピー

島崎×阿部/大学生設定 俺の恋人は現在禁煙中だ。 大学に入ってすぐ吸い始めた時、俺は何も言わなかった。だけど今までしてきたキスと全然違う味になって、最初こそ苦い味のそれに慎吾さん大人っぽくなったななんてちょっとどきどきしたりしたけど、ある日慎…

珈琲時間

島崎×阿部/慎吾さんお誕生日話/大学生設定 そのラブホテルを隆也はなぜかとても気に入って、そういう雰囲気になれば必ずあそこに行きたいと言った。 それは俺から見れば他のホテルとなんら変わらない極めて普通の、高くもなく安くもなく、良すぎでもなく悪…

少しの本音と言葉とキス②

真っ暗になった部屋、その中でゆっくり近づいてきた慎吾さんの影だけはなぜだかくっきりと浮かんでいて、その影に包まれるようにしながら身体が促される。ハッと正気に返った時には俺はベッドの中で慎吾さんを見上げていた。 暗いと思っていた部屋の中がいつ…

少しの本音と言葉とキス①

島崎×阿部/最後の日・後日談 ※性描写あり デジャヴ、という言葉を思い出した。 少し前にもこういうことがあった。そう、部活の終わり、田島がラーメンを食いに行こうと提案してみんなで門を出る。俺は最後尾についていて、信号を渡る手前で黄色になった。 …

最後の日②

「明日から新学期だろ?」 送るよ、と言われて断ることも出来ず、自転車を押して並んで歩く。昼間は桐青の練習に顔を出したらしい、久しぶりに汗だくになったと笑う慎吾さんは本当に楽しそうだ。 「隆也ンとこは新入生何人くらい来てんの?」 「まだっスよ、…

最後の日①

島崎×阿部 桜がきれいだなぁ、と誰かが言って、その声が空を仰いでるのを感じて俺も顎を上げた。こんなに空が青い時間帯に家路につくことがとても珍しくて、俺だけじゃなくほぼ全員が何となくこの時間を持て余していた。薄紅色の桜が、水色の空に溶けそうに…